乳腺専門クリニックについて
乳房のさまざまな症状に対しての検査、診察、乳がん検診や乳がんの治療、術後のフォローアップ等を行うのが乳腺専門クリニックです。取り扱う主な疾患は、乳腺の違和感や痛みが生じる乳腺症・授乳期に多い乳腺炎・陥没乳頭の場合に起きやすい乳輪下膿瘍、乳腺の良性腫瘍(葉状腫瘍・線維腺腫)・乳腺の悪性腫瘍(乳がん)などがあります。男性の乳房疾患では、男性乳がんや女性化乳房症などを取り扱います。
乳腺専門クリニックではこれらの疾患を診断するために、必要に応じてマンモグラフィ・超音波などの画像検査、細胞診・針生検などの病理検査を行います。
mammaria tachikawaは、乳がん検診(マンモグラフィ・超音波検査)、乳がん検診での「要精密検査」の診察、乳房に症状がある場合の診察、乳がんの手術後の内分泌療法やフォローアップの各種検査を行っております。病理検査の結果、乳がんと診断された場合には、サポートを行いながら適切な病院へ紹介を行います。経験豊富な女性の乳腺専門医が丁寧な診察を行う乳腺専門クリニックです。
このような症状でお悩みの方は乳腺専門クリニックにご相談ください
症状についてご自身で判断が難しい場合もあるかと思いますので、おひとりで抱えずにどうぞご気軽にご相談ください。
乳房にしこりがある
しこりとは、「かたまり、できもの」のことです。乳房のしこりは乳がんだけではなく線維腺腫・葉状腫瘍・乳腺症などの良性疾患でも触れることがあり、実際は乳房のしこりの90%が良性です。一般的には、よく動くやわらかいしこりは良性、動きが悪く硬いしこりは悪性と言われますが、これだけで良性・悪性の区別を行うことは難しく、マンモグラフィや超音波などの画像検査、必要に応じて細胞診や組織診を行い、良性か悪性かを診断します。また、正常の乳腺は触ると硬く触れるため、乳腺が多い女性は、正常乳腺なのか、なにか腫瘍があるのか、ご自身では判断が難しい場合もあります。
気になるしこりがある場合、あるいは、これはしこり?とわからない場合でも、どうぞお気軽に当院にご相談ください。
乳房が赤く腫れて痛い
考えられる疾患として、乳腺炎や乳輪下膿瘍があります。乳腺炎は、授乳期に乳汁の流れが滞ることで生じるうっ滞性乳腺炎と乳腺に細菌が侵入して感染をひきおこす化膿性乳腺炎があります。化膿性乳腺炎はうっ滞性乳腺炎になった時に乳頭の傷などから細菌が侵入しておこることもあれば、授乳とは関係なくおこることもあります。いずれも、乳房が赤く腫れて痛みを伴い、しこりが触れることもあります。乳腺炎が悪化すると、乳腺内に膿が溜まってしまう乳腺膿瘍に進行することもあります。
また、頻度は高くはありませんが、炎症性乳がんという特殊な乳がんでも乳房が赤く腫れる場合があります。この場合は痛みを伴わないことが多いです。
乳腺炎か炎症性乳がんかをご自身で判断することは難しいので、乳房が赤く腫れて痛い場合は、早めに当院にご相談ください。
乳房の皮膚の一部がひきつれている・えくぼのようにへこんでいる
乳がんのしこりが乳房の皮膚の一部をひっぱることで、ひきつれてたり、へこんでいることもあります。
乳頭から分泌物が出てくる・乳頭から出血している
乳頭から分泌物が出る場合、多くは乳管内乳頭腫・乳腺症といった良性疾患であることが多いですが、まれに乳がんであることもあります。
その他
左右の乳房の大きさが違う、乳房にできものが出来た、脇の下や乳房にしこりがある、乳頭がただれているなど、気になる症状がある場合は、おひとりでご不安を抱えずに些細なことでも遠慮なく当院までご相談ください。
診療内容
乳がん検診
症状がない方を対象に行うのが乳がん検診で、検査方法として視触診・マンモグラフィ・超音波検査があります。当院では、女性技師によるマンモグラフィ、女性乳腺専門医による超音波検査と結果説明(検査当日)を行っています。
※自費診療となります。
検診A(視触診+マンモグラフィ+超音波検査) | 15,400円(税込み) |
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検診B(視触診+超音波検査) | 8,800円(税込み) |
乳腺精密検査
乳房に、しこりやひきつれ・痛み・皮膚の赤み・乳頭の異常・乳頭分泌物などの症状がある方や、乳がん検診で要精密検査と診断された方を対象に、さらに詳しい乳房検査を行います。マンモグラフィ・超音波検査のほか、必要に応じて細胞診や針生検などの病理検査を実施しております。病理検査の結果が乳がんなど悪性腫瘍で治療が必要な場合は、患者さまのご希望にあわせた適切な病院への紹介を行い、予約取得についてもサポートを行います。良性の診断であった場合でも当院で定期的な経過観察が可能です。
乳がんの治療
乳がんの手術を受けた病院と連携し、乳がん手術後の内分泌療法(内服・注射)の継続、再発の有無をチェックするためのフォローアップ検査(マンモグラフィ・超音波・血液検査)を行います。内分泌療法の副作用として、骨密度の低下、骨粗しょう症がありますが、当院では骨密度の測定を行うことが可能です。
※当院での治療をご希望の場合、必要に応じて診療情報提供書をご用意頂きます。まずはお問い合わせください。
※当院ではセカンドオピニオンは行っておりません。
検査内容
視触診
乳房のしこり・痛み・引きつれ・皮膚の赤み・乳頭の異常・乳頭分泌物などの有無を調べます。
マンモグラフィ検査
乳房専用のレントゲン検査で、乳腺を見やすくするために乳房を薄くはさん撮影を行います。検査時間は15分程度で、当院では経験豊富な女性の診療放射線技師が撮影を担当し、マンモグラフィの読影は乳腺専門医が行います。マンモグラフィは、乳腺全体の状態・構造を把握することができ、乳がんの初期で出現する細かい石灰化を検出するのが得意な検査です。しこりの検出も可能ですが、乳腺が多い場合(高濃度乳腺あるいはデンスブレストといいます)は検出が難しい場合もあります。そのような場合は、超音波検査を併用してしこりの評価を行います。
乳房超音波検査(乳房エコー)
超音波がでるプローブという機械を乳房に直接あてて、はねかえってくる音波を画像化して乳房内部を観察する検査です。超音波は、被爆を伴わない検査のため、妊娠中であっても実施は可能です。検査時間は10分程度で、当院では乳腺専門医が検査を行います。超音波は、小さいしこりを発見するのに適した検査ですが、マンモグラフィではみられる石灰化の検出は難しいことが多いです。マンモグラフィと合わせて総合的に評価することが重要です。
病理検査(細胞診・組織診)
マンモグラフィや超音波などの画像検査によってしこりが発見された場合、しこりが良性か悪性かを判断するために細胞診・組織診などの病理検査を行うことがあります。どちらの検査も超音波検査で病変の位置を確認し局所麻酔をしたあとに行います。細胞診は、細い針を病変に刺して採取した細胞を染色し、顕微鏡で観察する検査です。組織診は、組織採取用の特殊な針を病変に刺して採取した組織を染色し、顕微鏡で観察する検査です。組織診は「生検」ともよばれ、針をつかって組織を採取する「針生検」と手術で組織を採取する「外科的生検」があります。当院では細胞診、針生検を行っています。細胞診と針生検のどちらが適しているかは病変によって異なるため、病変をみて判断しています。
乳腺クリニックの主な対象疾患
乳がん
乳がんは乳腺にできるがんです。現在日本人女性の罹患率が一番高いがんで、9人に1人が発症するといわれています。40~60代の女性に多く、40代後半と60代前半にピークがあります。
線維腺腫や葉状腫瘍
乳腺線維腺腫
乳腺にできる良性腫瘍で15-35歳の間の女性に最も多く認められます。触診では、よく動くしこりとして触れることが多いですが、サイズの小さいものは触れず健康診断などで指摘されるような無自覚なしこりも多いです。マンモグラフィや超音波では、境界明瞭(くりっとしたかたち)のしこりとして見えるのが典型的です。通常は2-3cmになると増殖は止まります。年齢とともに自然になくなるものもあります。線維腺腫が考えられる場合、定期的な検査を行って、しこりの大きさやかたちの変化がないかをチェックしますが、まれにしこりが急に大きくなることもあり、その場合は手術が必要になります。
葉状腫瘍
乳腺にできる腫瘍で多くは良性ですが、まれに境界悪性(良性と悪性の間の性質のこと)、悪性のこともあります。35-55歳の女性に発症することが多く、線維腺腫よりも発症頻度はまれです。マンモグラフィ・超音波では、線維腺腫のかたちに似たしこりが認められます。良性であっても急速に増大することがあるため、手術が必要になることもあります。
乳腺症
良性疾患で、女性ホルモンの不均衡によりおきる乳腺のさまざまな変化の総称です。30-50代によくみられます。しこり、乳房の張り、痛み、乳頭分泌物などさまざま症状が出現することもあります。画像検査では、乳がんと区別がつきにくいものもあり、診断をつけるために針生検を行うこともあります。乳腺症と診断がついた場合でも、乳腺症のなかに乳がんができることもあるため、定期的に検査をして経過をみます。
乳腺症の症状の多くは閉経後に卵巣機能が低下することで自然と緩和されます。
乳腺嚢胞
乳腺嚢胞は、乳腺症の一種で、乳房のなかにある乳管という母乳の通り道がふくらんで内部に水がたまった袋のようなものです。健康診断などの結果で多く診断される所見のひとつですが、良性であり治療の必要はありません。大きくなるとしこりとして触れることもあります。まれに嚢胞内に腫瘍ができることがあり(嚢胞内腫瘍)、その場合はその腫瘍が良性か悪性かを診断するために病理検査が必要になります。
乳管内乳頭腫
母乳の通り道である乳管のなかにできる良性の腫瘍で、30-50代の女性にみられることが多いです。症状としては、しこり、乳頭分泌などあります。乳頭の近くには太い乳管が集まりますが、乳頭近くにできるものを“中枢性乳管内乳頭腫”といい、単発であることが多いです。乳頭から離れた場所にできるものは“末梢性乳管内乳頭腫”といい、こちらは多発することもあります。病理検査で乳管内乳頭腫と診断した場合は、腫瘍が大きくならないか定期的なフォローアップ検査(マンモグラフィ・超音波)を行います。乳頭分泌が多い場合や増大傾向がある場合は、手術による摘出も検討されます。
乳腺炎・乳腺膿瘍
乳腺炎は、授乳期に乳汁の流れが滞ることで生じるうっ滞性乳腺炎と乳腺に細菌が侵入して感染をひきおこす化膿性乳腺炎があります。化膿性乳腺炎はうっ滞性乳腺炎になった時に乳頭の傷などから細菌が侵入しておこることもあれば、授乳とは関係なくおこることもあります。いずれの乳腺炎でも、乳房が赤く腫れて痛みを伴います。乳腺炎から乳腺内に膿が溜まってしまう乳腺膿瘍に進行すると、切開で膿を排出する必要があります。