乳がんセルフチェック

普段のセルフチェックで早期発見

普段のセルフチェックで早期発見乳房を意識する生活習慣を、「Breast awareness(ブレスト・アウェアネス)」と言います。ブレストアウェアネスは以下の4つの項目の実践が重要です。

  1. 自分の乳房の状態を知るために、日頃から自分の乳房を、見て、触って、感じる(乳房のセルフチェック)
  2. 気をつけなければならない乳房の変化を知る(しこりや血性の乳頭分泌)
  3. 乳房の変化を自覚したら、すぐに医療機関へ行く
  4. 40歳になったら定期的に乳がん検診を受診する

正常の状態を知らないと異常に気付くことはできません。普段からのセルフチェックで乳房の変化に気付けるようにしておきましょう。

しこりは乳がん発見のきっかけ

乳房のしこりの多くは乳腺症や線維腺腫など良性腫瘍の場合が多いとされますが、乳がんだった場合は早期発見や適切な治療に繋がります。このように、乳がん発見のきっかけのほとんどが「しこり」とされています。セルフチェックを普段から行い、乳房の変化が少しでもあった場合は、なるべく早めに当院にご相談ください。

検診と普段のセルフチェック

乳がんを早期に発見するためにも、医療機関での定期的な乳がん検診だけではなく普段からセルフチェックを行うようにしましょう。次回の検診までの間にも、セルフチェックを行っていれば、乳房の変化に気付くことができます。検診とセルフチェックの両方を行うことで、効果的に早期乳がんの発見に繋がります。

セルフチェックのポイント

タイミング

セルフチェックするタイミングは、乳房のはりがとれてやわらかくなる月経が終了して1週間以内の頃に行ってください。また、閉経している場合は、忘れないように毎月日にちを決めてチェックしてください。

鏡での見た目チェック

鏡の前に正面を向いて立ちます。乳房や乳首の大きさ・形の左右差がないか、乳房皮膚の引きつれ・出っ張り・赤み・腫れ・変色の有無などをチェックします。
両手を前で組んだまま頭上に持ち上げて、上半身を左右にひねりながら観察していきます。また、両手を腰に当てて腕に力を入れた状態で、脇・鎖骨下・乳房の横を張るようにして異常がないかをチェックします。

バスタイム

しこりを発見しやすくするために、体を洗う際にボディソープが付いた状態でセルフチェックしてみてください。

乳房が大きい方は横になって

乳房が大きいと、立った状態でチェックしても分かりにくいことがあります。この場合は、仰向けに寝てチェックすることをお勧めします。胸を反るように姿勢を取るために、背中に枕やバスタオルを置き、その上に仰向けに寝てください。右側の乳房をチェックする場合は、右腕を上に上げて乳房を張るようにして左手でしこりを探します。それを両側行ってください。

しこりチェック

しこりをチェックする際は、親指以外の4本の指の腹を使います。チェックする側の腕を上に上げて、乳房を張るような姿勢を取り、反対側の指の腹全体を使って触っていきます。4本の指は揃えて、指の腹全体で触ります。

しこりチェック1 乳房全体をチェック

まずは、乳房の上側部分をくまなく触れます。次に乳房外側から内側に寄せるように触り、乳房全体を満遍なくチェックしていきます。

しこりチェック2 乳房中央をチェック

乳房中央部分を触れていきます。この時、外側から内側に向かって触れます。触れる強さは、指の腹に肋骨があるなと感じられる程度の強さです。なにか指に触れたように感じたら、その部分をグリグリ回すように触れて、しこりの有無を確認してください。

しこりチェック3 乳房の下部分

乳房下部は脂肪が分厚いため、しこりの発見がしにくい部分です。乳頭に向かって下から乳房を持ち上げるように寄せて、念入りに触れていきます。

しこりチェック4 鎖骨から乳房上部

右手を下におろし腰に当てた姿勢で、左手で右鎖骨から指の腹全体で触れます。肋骨に添って外側から内側に寄せるように触れます。反対側も同様にチェックします。

しこりチェック5 脇と乳房横

右手を腰に当てて、左手4本の指の腹を揃えて脇の下にぐっと入れて確認します。つまんでしまうと、しこりと混同して分かりにくいため、指の腹を押し付ける感じでチェックしていきます。次に、脇の下から乳房横を通って、乳頭に向かって撫で下ろしながらチェックします。

しこりチェック6 乳頭

親指と人指し指の腹で乳房を挟みますが、縦に挟み搾りだすように乳頭に向かって指を進ませます。そのあと、乳頭を絞るようにギュッとします。しこりだけではなく、血液の混じった分泌液などが見られる場合は、速やかに当院までご相談ください。

乳がんが発生しやすい場所

乳がんが発生しやすい場所乳がんが最も発生しやすい場所は、乳房外側上部でその割合は47.6%と高く、次いで内側上部は23.5%、外側下部は13.0%、内側下部は6.8%、乳輪部は6.1%とされています。このように、乳がんは乳房の部位によって発生頻度が変わります。

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